千葉茂樹: 磐梯火山に関する論文

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磐梯火山のテフラ層序と火山活動史(+木村純一、 佐藤美穂子:磐梯火山 1995年)
Tephra Stratigraphy and Eruption History at Bandai Volcano, Northeastern Honshu arc, Japan
(+Jun-ichi KIMURA and Mihoko SATO:Bandai Volcano 1997)
磐梯火山の地質と火山活動史─火山灰編年法を用いた火山活動の解析─(+木村純一:岩石鉱物科学 2001年5月)
学習院大学所蔵,磐梯火山 1888年噴火の写真(地球科学 2008年9月)
宮内庁所蔵、磐梯火山 1888年噴火の写真(II)(+佐藤公:地球科学 2009年3月)
磐梯火山 1888年噴火の噴石落下孔(地球科学 2009年11月)
小磐梯山,消失前の姿(地球科学 2010年9月)
小磐梯山 1888年噴火前の姿 ─大伴タキノ氏蔵,江戸後期の磐梯火山の絵図─(地球科学 2010年9月)
1888年磐梯山噴火災害からの復興の遺構一磐梯山北麓に存在した石碑「明治神宮」(地球科学 2023年1月)
裏磐梯の「明治神宮」――今も漂う遠藤現夢の魂――(会津嶺(あいづね)2023年5月)
磐梯山の開発と自然環境の保全ー名ばかりのSDGs・磐梯山ジオパーク
(Geologoj Demokratiaj 地学団体研究会機関誌 そくほう、2022年12月1日)
磐梯山、研究データ窃盗事件 ー研究者のモラル、地団研の精神一
(Geologoj Demokratiaj 地学団体研究会機関誌 そくほう、2023年10月1日)
多発する自然災害と地学教育ー軽視され続けた『地学教育』一
(Geologoj Demokratiaj 地学団体研究会機関誌 そくほう、2023年12月1日)
磐梯火山の南西山麓に存在した謎の温泉、「義敷温泉」(地球科学 2024年1月)
「会沖テラス計画」着手さる一遂に始まった磐梯山の乱開発一
(Geologoj Demokratiaj 地学団体研究会機関誌 そくほう、2024年2月1日)

●ツキノワグマとの対応法 2023.10.02 千葉茂樹

 最近、クマ騒動が各地で起きている。以下はそれについてのメモである。
テレビ朝日2023/10/0218:05「襲い掛かるクマに木で“応戦”カメラが捉えた“格闘”一部始終」
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000318185.html

◎コメント
 基本は、山は野生動物の住むところで、人間はあくまでも侵入者。これを忘れるからクマに襲われるのです。
・山に入ったら、「常に声を出す」事。
 私の経験では、「熊鈴」は利きません。「熊鈴」を腰につけて歩いていたら、クマが私の後をついてきたことがあります。
 私は基本的に一人で歩くので、「五感を研ぎ澄まして情報収集」しながら歩きます。山での危険はクマだけではありません。
 私は、山では人間の声は出しません。基本的に、野生動物の鳴き声のような声を出します。クマに遭遇したら、ゴリラの警戒音のような声を波状的に出します。甲高い声は厳禁で、相手に弱者をイメージさせます。女の方が出すような「ギャー」は最悪で、こんな声を出したら自分は弱い者と言っているようなもので襲われます。
 それから、クマが攻撃してくるのがわかったら、迎撃するしかありません。取っ組み合いになったら負けるので、一撃で仕留める必要があります。私は調査用の赤白棒で、顔(口か目)に一撃を加えることにしています。
 遭遇時の対処法を事前に決めておいて、実際の遭遇の際にはその通りするしかありません。山に入る際には、その覚悟が必要です。その覚悟がないから、熊との遭遇時に慌ててしまい襲われる結果となるのです。
 なお、私は2022年の春に山でクマと遭遇しましたが、クマを見た瞬間に(無意識に)ゴリラのような警戒音を波状的に発し、クマを撃退しました。(後で考えると大失敗で、距離が15〜20m程ありましたので写真を撮ってから追い払うべきでした。私は、山では無意識で体が反応してしまいます。)

●スズメバチ騒動 2023.10.05 千葉茂樹

 最近、里山の管理がなされなくなり、ツキノワグマの出没やスズメバチの騒動やらが頻発しています。
2023年10月5日、テレビ朝日で「スズメバチ駆除中に男性死亡 今年は“巣が巨大”遭遇したら?」
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000318652.html
が報道されました。

◎コメント
 この報道には、いくつか間違いがあります。
・映像は「キイロスズメバチの巣」(木の枝や人家の軒下)ですが、これは間違いです。
 現場映像は、竹藪の中の窪地であり、目撃者が「見たこともないくらい大きいハチ」という内容を話していますから「オオスズメバチ」の可能性が高いです。オオスズメバチは、木の根などを利用して「地中」に巣を作ります。体長3〜5cmです。
・スズメバチ専門家の発言「しゃがみ込むと良い」も間違いです。
 私もオオスズメバチに遭遇した時にしゃがみ込みましたが、顔の前約20cmでホバリングされて肝を冷やしました。「しゃがみ込み」が有効なのは、ハチが高速移動しているときです。例えば、偵察部隊から「敵情報」を得て、巣から大量のハチがスクランブル発進して飛んできた時には有効です。しかし、そのうちの1匹でも「しゃがみ込んだ標的」を見つけると、その場で集中攻撃を受けることになり、ある意味賭けになります。

〇私の経験
 野外調査時に、何度かオオスズメバチに遭遇しました。ここに書くのは、通常の話です。大抵こうなります。
 巣に近づくと「偵察部隊」数匹が来ます。
 林道を歩いていた時に、私のまわりをオオスズメバチが半径5〜10mの円を描いて飛びました。これは、巣の近くにいる偵察部隊が、警告「巣に近づくな」を発する行為です。
 この場合は、静かに退避すれば攻撃されません。急な行動は禁物です。私の場合、来た道を戻りましたら、オオスズメバチはいなくなりました。
 また、人に性格があるようにスズメバチにも性格があるようです。「同じ巣」の働きバチはみな同じような性格です。女王バチは処女飛行でオスと交尾し、腹部に精子を蓄えます。したがって、同じ巣の働きバチは人でいう兄弟です。(性染色体 メス:XX、オス:X)ですから、同じ巣の働きバチは同じような性格です。この原理で、巣ごとに遺伝子が違いますから、当然、性格も違います。
 のんびりした性格のオオスズメバチもいます。私の地質調査中に、オオスズメバチが飛んできて、私のベストにとまり「日向ぼっこ」をしていきました。のんびりと顔を前足で手入れをして飛んでいきました。
 逆に、大変攻撃的なオオスズメバチもいます。私が里山の岩の上で写真を撮っていたら、オオスズメバチが数10m先から直線的に襲来し、いきなり顔の前1mくらいでホバリング(同じ場所に留まりながら飛んでいる)をしました。そして、顎でカチカチ音を出して威嚇しました。私は、その場でしゃがんで顔を手で隠しましたが、オオスズメバチは顔の前約20cmでホバリングをしていました。すごく長く感じましたが1〜2 分だったと思います。
 のんびり型、攻撃型それぞれのオオスズメバチは、羽音も飛び方も全く違います。

〇キイロスズメバチの巣の駆除方法(私の経験)
 岩手の家で、巣の駆除3回、女王バチ駆除1回。岩手の家のメンテナンスをしていた時の経験です。父が逝去し家の管理をするようになったら、キイロスズメバチがやってきました。父の晩年から家や庭の手入れができなくなり、スズメバチが住み着きやすい環境になっていました。2012年ころから、初夏に庭や家の軒下にキイロスズメバチが巣を作り、そのたびに駆除しました。駆除を繰り返したら、ここ2年はキイロスズメバチを見なくなりました。

★私の実戦
・夜間に行う。働きバチはすべて巣に戻っている。夜は巣の入り口(内部)に見張りがいるだけ。スズメバチは、夜間は視力が落ちて行動できないようです。
・できれば霧の夜が良い。霧だと羽根に露が付き上手く飛べないようです。
・明るい光源を用意し、自分から離れた位置に置く。スズメバチは薬剤を浴びる(苦しくなる)と光源に突進します。
・スズメバチ専用殺虫剤(薬液が10mくらい飛ぶ)は、物陰から連続的に噴霧する。できるだけ近距離のほうが良い。
・物陰がない場合は、巣の穴の至近距離(私の場合10cm)から、連続的にジェット噴射する。(夜間ですと、接近しても、スズメバチは巣から出てきません。)ジェット噴射の勢いで、スズメバチは巣から出てこられません。ジェット噴射後は、緊急退避する。スズメバチは、先に用意しておいた明るい光源に突進します。
・懐中電灯の使用は、最低限にする。夜間のスズメバチは光源に向かって突進します。常時点灯とすると、スズメバチが懐中電灯に向かって飛んできます。
 なお、私は「防護服」は使用していません。通常の作業着と帽子、防塵眼鏡、軍手くらいです。
 話は別です。昨年の春先、家に戻った際に雨戸の中にキイロスズメバチの女王バチがいました。冬眠明けくらいだったと思います。私の服にしがみついたので、パソコン清掃用のスプレー(有機溶媒)で冷却死させました。(たいていの昆虫は急冷すると死ぬ)
 なお、女王バチは刺せません。働きバチの毒針は輸卵管が改変したものです。メスバチにロイヤルゼリーを与えると女王バチ(輸卵管)になりますが、栄養不足だと働きバチになります。この場合、輸卵管が毒針に変わります。

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